斜陽
なるせ

きみにさよならを言うために
長らえた声帯じゃないよ
きみの名を呼ぶために
残された命だ

そう望んだんだ
それは紛れもなくぼくだ

火薬と木造の家のにおいが
いつまでも記憶を掠めるように
朝焼けはまるで
新しい海がうまれたみたいにきれいだ

この場所できみをよぶ
この場所でぼくは泣く


自由詩 斜陽 Copyright なるせ 2006-08-19 23:43:15
notebook Home 戻る