Spanish bomb
佐々宝砂

あいつがスペインの爆弾を落とした
私がねむっているすきに
まだ続いているとどろきに
ざらつき乾いてゆく私の舌

枕のしたに隠す靴下
あいつの彼女がきたときに
靴下を見つけて大騒ぎに
なんて可能性もある明日

冷たい唇が手の甲にさわる
明け方の蝉が遠くで鳴く
あまりにも瞬間的な一閃の幸福

窓のそとゆっくりと景色は変わる
保証も約束もなにひとつなく
それでも今日の風は吹く





初出 蘭の会 新サルレト第19回 ただし若干推敲 
http://www.hiemalis.org/~orchid/public/saru/


自由詩 Spanish bomb Copyright 佐々宝砂 2006-07-15 04:49:03
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