ぽえむ君−坂道−
ぽえむ君

ぼくは詩を書きたい

苦労を積んでも
すぐに忘れてしまうのも
人の自然かもしれない

今日もまた

朝の散歩をしていると
坂道に出会いました

幼い頃から
学校へ行くとき
昆虫を取りに行くとき

 いつもこの坂道をのぼって

長く急なこの坂道が
いつも怖かった

 それでもこの坂道をのぼった

少年になっても
友達の家に遊びに行くとき
探検をしに行くとき

 いつもこの坂道をのぼって

長く急なこの坂道が
いつも憎かった

 それでもこの坂道をのぼった

青年になり
いつしか
この坂道をのぼらなくなった
いつしか
この坂道を忘れるようになった

今また再び
坂の向こうの林には
今でも虫たちがいるのだろうか

今また再び
坂の向こうの家は
今でも友人がいるのだろうか

力強く
坂道をのぼり始める

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−坂道− Copyright ぽえむ君 2006-05-25 22:32:18
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