魚類ヒト科僕
美味

目から鱗が落ちた
魚類ヒト科僕
だったのかなんて
泳げもしないくせに
死んだ魚の目は透明に濁って
魚屋には同類の眼差しが並んでいる
なぜ猫は魚を好むのか
の謎を解き明かそうと
繰り返し与えられる魚、その類い僕

適当、というのは
大雑把
という意味じゃないのだと
気まぐれな君が言うから
今日は綺麗に鱗を剥がして
刺身にしてみた
指に張り付いた幾つもの鱗は
肌を透かして仄かに
桜色に色づいている


連日の暑さのせいか
プールが恋しいので
週末には君を誘って
行水にでも行こうかしら
コバルトブルーの水面下
ばたつく足は
いつも上手くいかないのに




自由詩 魚類ヒト科僕 Copyright 美味 2006-05-15 09:54:06
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