世界の中心
ジム・プリマス

荒れ狂う雪の中
真冬の夜明けに
君が記した拙い地図
大切にしまっておいた
その拙い地図の上に
僕は桃色のクレヨンで
希望の印をつけた
そこは
世界の中心で
そこには
悲しみも
痛みもなくて
ただ金色の光が満ちている
そしてその奇跡を記念するように
桃色のコスモスが
夏でも枯れずに咲いているんだ
誰も知らない場所だから
僕が一番最初に見つけよう
僕はこれからそれを見つけに旅に出る
その場所にたどり着くのに
何年かかるか分からないけれど
きっと僕はその地に立って
君のほうを向いて
大きな声で叫ぼう
君の希望は
ここにある
この世界の中心に
ここにあるんだよって
もし聞こえないのならば
僕は君の元まで
たどり着いて
君を連れてゆく
金色の光の元へ
あの光輝く
草原の下へ
雨が身体をぬらすだろう
霜が身体を凍えさすだろう
灼熱の太陽が身体を突き刺すだろう
渇きが僕を覆いつくすだろう
皮膚は裂けて血を流すだろう
それでも諦めないで
歩き続けよう
生きることの意味を考えていた
いつもいつも
これでいいのかと問い続けてきた
でもそれもこれで止めてしまおう
意味なんかなくてもいい
気持ちの赴くままに
世界の中心を僕は目指そう
狂おしく苦悩にみちた
人生を孤独な聖者のように
歩んでいるんだと思い込んでいた
そんな自分には幸福は
見つけられないことを
君と出合って初めて知った
光よりも闇に向かって
いたことを思い知らされた
でも今度は間違えない
だから今度こそ
僕は世界の中心を目指そう
あの金色の光の元へ
今、踏み出そう


自由詩 世界の中心 Copyright ジム・プリマス 2006-05-13 00:10:46
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