その白い布団のなかに
バンブーブンバ

 ひしめきあう一日のあとに
 コップを倒した夜は零れる
 子猫の駆けた路地裏に
 白い平らな月は滑る


 風は
 影の上に重なる雪をおくり
 この街の色やかたちをおくり
 世界はひとつの大きな布団になる


 布団のなかに眠る
 僕の親愛なる友人たちよ
 布団のなかで
 大きいお腹の課長代理が夢を見る
 エステに通う受付嬢が夢を見る
 縁無し眼鏡の新入社員が夢を見る
 日々の仕事につい果てた僕の耳に
 友人たちの苦しげな寝言はもぐり込む
 そうしておざなり途切れたあとの
 他愛もないしじまに想う


 僕の親愛なる友人たちよ
 せめて その白い
 布団のなかに 
 眠れ





自由詩 その白い布団のなかに Copyright バンブーブンバ 2004-01-31 21:29:20
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