覚醒
たりぽん(大理 奔)


舞い上がったタンポポの綿毛が
振り返って見下ろした風景

歩道で蝉の抜け殻を
知らず踏みつぶしたときの音

そんなふうに目覚める朝

新しい自分が
古い骸に驚いたり
影よりも陰が
暗いことにおびえたり

こぶしを開き
目を閉じ
背を伸ばし
ながら
猫のように威嚇し
とりもどす
かたち

それが
覚醒
であるなら

まず私は
指先から感じたい
自分であることの

風と音を


自由詩 覚醒 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-01-16 23:49:45
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