急角度の夜
捨て彦

すげーなぁ
なんか鋼鉄っぽい味がする
限りなく広い白い地平
ぱちぱちとまばたきが多くなるほど

この広大な原っぱは全部鉄でできている

それを原っぱと呼ぶおれはすでにおかしいんですか

足と足と手と手とみみと目
脳みそを空っぽにしたままナチュラルな姿勢を
保つことがぜったい基本的なことです
そしてこれはぜったいに多分ではありえない


それはつまりおれはふらついたまま
何気につまづいてこけるということ
(ぜったいぜったい)

ほいでぶつけてしまうわ頭をアスファルトに
足腰をアルコールに浸したままほいでぶつけてしまうわごっつんと頭をアスファルトに
ほいでおれはいつのまにか
あらゆる偶然事故的に
わんわんと泣きわめく方法を見つけるのでした




自由詩 急角度の夜 Copyright 捨て彦 2006-01-06 00:22:38
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