解体
バンブーブンバ

玄関の 木扉 ノブの形 覚えてないのに
その庇 鼻先の 図柄はくっきり 覚えている

腰壁の タイルの文様 色も定かに 覚えてないのに
踏まれてる タイルのリズム 芋目地だった 覚えている

二階の部屋 カーテンの 色までちょっと 覚えてないのに
窓から見える 鉄筋の 手すりの錆 覚えている

机の横 飾られた 写真が何だか 覚えてないのに
ビニルクロス 剥がれてる 大きさまで 覚えている


家が 解体 さら地に なって
十年は 経つ


覚えてない、 
覚えている、


交換してみる 
きっと それでも


大アリ の
思い出 を




箪笥に入れる





自由詩 解体 Copyright バンブーブンバ 2004-01-20 19:16:42
notebook Home 戻る