真夜中の疾走
炭本 樹宏

 突然走りたくなる衝動にかられた
 真夜中の街灯が灯る住宅地を
 気温5度の中を疾走した

 思いのほか身体が軽い
 夜の冷気が心地よい

 トラックが走る横を通りすぎる
 排気ガスをもろに吸う
 吐き気がした

 普段気にならない
 街の空気はけがれていることを
 この身に感じる

 息が切れる
 息が苦しい
 苦しみは快楽になる
 
 ただ走るだけ
 理由なんてない

 心に溜まった膿を
 燃やすように
 僕は街の風景を横目に見ながら
 僕は前だけをみて走った

 それだけのことだ

 意味は後からついてくるだろう




自由詩 真夜中の疾走 Copyright 炭本 樹宏 2005-12-10 02:27:23
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