晩秋
大覚アキラ

秋の
終わりの
帰り道の
高速道路の
横の
川沿いの
長い道の
途中の
階段の
下の
缶コーヒーの
自動販売機の
明かりの
薄暗がりの
中の
瞬きの
あの
感じの
切なさの
思いの
立ち止まる時の
私の
スニーカーの
右足の
靴紐の
もつれの
もどかしさの
記憶の
中の
あなたの
耳たぶの
冷たさの
鼓動の
スピードの
両頬の
熱さの
触れたときの
とまどいの
瞳の
奥の
満月の
銀色の
反射の
満ち欠けの
見とれるほどの
はかなさの
通り過ぎる車の
ライトの
閃光の
刹那の
落ち葉の
スローモーションの
旋廻の
落下の
エンドレスの
再生の
永遠の
この
秋の
終わりの


自由詩 晩秋 Copyright 大覚アキラ 2005-11-17 15:24:05
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