冬の道行き
たりぽん(大理 奔)

この
てのひらに届く
吐息のような
君の伝言


手が届かない切なさ
抱きしめられない寒さ


その孤独が私に
乗り移ればいいと
おもてに飛び出してはみたのだけど


刺すように見つめる
星座表を冬の角度で
航路は暗く深く
こぎ出す船は波に小さく


想いの中で難破して
無人島にもたどり着けず
ただ葬送する


私の吐息は
君のてのひらで
暖かく溶ける
だろうか





自由詩 冬の道行き Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-11-09 00:35:40
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