朝立ち
ZUZU

朝ひとりで目覚めると
皮肉なことに勃起に気がつく
妻のいないベッドのなかで

夢のなかでは
まぼろしのような幼い踝に
わたしはひざまずいて舌をはわせていた

だけどあの少女は
むかし見せてもらった
小さな妻の写真の面影に似ていたような

わたしはわたしの勃起が
何に向けられているのか
しばらく考えたが

きっといつも緊張しすぎていたのだろう
しかしいったい何に?
とにかく妻は出て行った

おきだしてインスタントコーヒーを入れる
妻がいようといまいと同じことをしている
勃起が悲しみのように首をたれてゆく




自由詩 朝立ち Copyright ZUZU 2005-10-22 05:59:00
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