光沢感のあるベロアトップスの列車が、
ボーダ柄の線路の上を走るシルエット。
三分も経たない内に、次の
大きな国旗形のバックルの形をした駅に止まった。
「ブーツイン」「ブーツイン」
小麦色したコーデュロイのマイクに向かって、
股上浅めのパンツをはいた車掌が
駅の名前をストーレートに告げている。
ホームでは、ハードウオッシュ加工による
使い込んだ雰囲気のカレッジ風ジャケット
を羽織った新入り野郎の車掌が、
皆にトレンディにまつわる注意を
ホイッスルを吹きつけながら呼びかける。
列車のドアが開く。と、
ドライアイスの煙とともに
バンダナを巻いて
ローラースケートを履いた
シャカリキコロンブスが降りてくる。