サナギウタ
ソマリ
眩しさの中にいるとは知らぬ頃 ひかる手足を隠そうとした
境界は線ではなくてざらついた手触りだった 校舎みたいな
放されて時間通りに戻るのは別に躾の成果じゃないんだ
夕暮れはただ 色だった それ以上それ以下のものは見ない見えない
「幼い」と君が笑ったあの頃も嫉妬をしたし赦してもいた
もう少し時間があれば解けたはず まちがいなのも知っていた、はず
幾つもの放課後繭に織り上げて 羽化はスニーカー脱いだ瞬間
短歌
サナギウタ
Copyright
ソマリ
2005-09-12 20:49:28