きみではない女体
jei

  

ベランダにあるテーブルの上
お酒と料理を
ようやく並べ終える きみ
黒髪が風に流れ
その先から濃くなっていく夜

別れ

切り出せない互いのセリフは
草書体のように
読みづらい

僕のふかす紫のけむり
曲線が描いたのは
きみではない女体
断じて
きみではない女体

それでも合わせる
乾杯のグラスの
ワインに浸る
とおくの三日月の先端
から
ポトリ。
こぼれる未練


自由詩 きみではない女体 Copyright jei 2005-08-25 10:44:34
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