五万とある航海、その一つの—
プテラノドン

航海記。鼻息を荒げた 鉄仮面をかぶる男が 
捕まえた猿達に首輪をつけている。

サーカスの夜、団長は無邪気な子供たちだけを
テントに招き入れた。

その中から 笑い声よりも大きな
足を踏み鳴らす音が聞こえてくる。何者かの

登場を待っているような どよめきの後、
舞台上にあらわれたのは

ヘラクレスオオサルトに、アメリカサルガニ、ミヤマクワサルガタ
イリオモテヤマサルネコ、と、ぞろぞろと…

朝になると 地面には、たくさんの
むしりとられた猿の毛が落ちている


自由詩 五万とある航海、その一つの— Copyright プテラノドン 2005-07-23 00:03:06
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