さあ
flame

誰もが持っている暗い闇を右手でしっかりと撫で付けて

廊下を走って流れる風を身体で受けて後ろへ流そう

可哀相な世界を抱きしめたブランド志向の人を翻訳して

愛を知っているつもりで与えたのは悲しみだけで

あっという間に灰色を味わい八つ当たりした

コマーシャルの合間に翻訳済みの薄い真実を垣間見る

棺桶に足を突っ込んで偉そうに語る人が語ったのは

鼻毛程の重さの意味すら持ってなかった

扉を叩いて開けて進んだ世界はヤカンが沸かした蒸気みたいで

刹那の幸せのように、一瞬の地獄のようにそこらを飛び回る

夜明けを見るため色眼鏡を外して

ラムネを左手に抱えて

風鈴がひぃりんと啼くまで

自分とにらめっこ


自由詩 さあ Copyright flame 2005-07-12 02:36:08
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