しらやまさんのこと(3)
AB(なかほど)

  
  
どうして
こんなにも
遠くなってしまうんだろう


君の温もりの届かない場所へ
朝の
くうきを吸いに行く


そこにはもう

玉砂利の向こうで
手を合わせる人がいる

遠くの誰かのために
手を合わせる人がいる

会える事のない人のために
手を合わせる人がいる

隣を歩き続けている人のためにも
手を合わせる人がいる


遠くの

草の匂いがする
Vegetarian mosquitoのように
朝にはそこに辿り着いて
静かにみどりいろに包まれて
何も願うことのないまま
手を合わせ
僕は
今の僕の場所へと
帰る(何処へ?)
ことができればと
思うのに


振り返る
そのたった半歩で
君の温もりに
ただ 
帰りたくなる


どうして
こんなにも
遠くなってしまった
のだろう





自由詩 しらやまさんのこと(3) Copyright AB(なかほど) 2005-06-21 23:15:01
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