大陸の人間が日本国を許せない理由
洗貝新
第二次大戦の責任を一部の政界軍部の指導者たちに押し付けて済ませてしまうという
日本人の身の変わり衣替えのはやさよ。
そうして罪から解放された国粋主義者たちは政財界の権力に復活してしまう。
アメリカ人主導で天皇制を存続させ安堵した国民のほとんどが、
天皇を中心に誠心誠意謝罪を果たしたと思えたのだろうか。
大陸から南方から、
生死を彷徨い敗残兵として生き残り、
悲痛な思いを抱えたまま日本へ帰還した。
帰国すれば焼土と化していた我が祖国。
家族や親戚が、多くの民間人が焼かれ犠牲になっていた。
奇しくも反共主義吹き荒れるアメリカ社会首脳部の手先となり
戦前の如く左翼運動の思想家を取り締まる。
飴と鞭を使い分け、
あくまでも戦前のような弾圧という言葉を避けながら
経済力に勝るモノはないという、
アメリカ型資本主義の体制に組み込まれてきたのだ。
これが我が国の戦後体制である。
むろん戦後生まれの我々には記憶もない。
それを許してきた日本人の欠落した民主主義者たちよ。
いまでも事ある毎に大陸人を敵とみなし罵倒する国粋主義者たちが存在する。
本来日本人も中国人も朝鮮人も兄弟のような民族である。
大陸から多くの文化を流入し育んできた。
そのことを忘れてはいけない。
大陸の人たちはそのことを忘れてはいないのだ。