くーらー
唐草フウ

首筋に滲む汗が皮膚のくぼみで停滞している
めずらしく鬱屈したものとひっくるめて
無になれない顔になったまま
往復するうちわが申し訳程度に会釈する
トロトロとした頭の中でなにかを想像してみても
すぐ蒸発してしまうものだから、べたっと起き上がり
口にながれるものを入れて
エアコンへあたりに行く

白い歯のようなルーバーから吹き出される風に身を捧げていると
あしたの緊張するスケジュールや、用意不足の資料
きょうドタキャンされたこと
その代わりにきょう出来たこと



出来たことはあった



単純にだんだんと
まあいいか
に風といっしょに流れていく

たぶん しばらくは
明日も明日のエアコンの風に吹かれて


(お互いにねぎらい、ねぎらわれ・・・)





自由詩 くーらー Copyright 唐草フウ 2025-08-23 05:46:59
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