向日葵娘
AB(なかほど)

  
向日葵の迷路で迷いながら倒れこんで
そのまま眠りにつきたい
とつぶやきながら汗を拭い
晩夏の土間を掃除なんかしてる

今どき土間なんて貴重よう
なんてPTA会長がすました顔で言ってたけど
もう時代に合わないものは
使い勝手が悪くて
なんて言いながらも

姑が残していった糠は
今年もどうにかうまく夏を越したようで
そんなことが
普通に嬉しかったり

向日葵畑で踊ることを夢見てた娘は
どこに行ってしまったんでしょう
と鼻歌まじりに
糠床をこねくりまわす

今年の冬からは
かぶらずしも漬けてみようかしら

ああ
こんなことでは
こんなことではあ
私の中の向日葵娘は
どこに行ってしまうのでしょう
と鼻歌まじりに

  


自由詩 向日葵娘 Copyright AB(なかほど) 2003-11-30 22:38:33
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