怒りの石ころ
鏡文志
貴方に、希望も与えない
闘う大義が無いなんていうことが、あるのだろうか?
怒りは、石ころ
いつでも足元に転がってる
蹴飛ばせ そして、踏みつけろ
理由という大義を探せ
私は待つことを、強要された男
平和な国に羊として生まれ、くだらねえルールを守り続けた
俺は常に、怒っていた
怒っていない奴に、怒っていた
怒っている奴に、怒っていた
笑っている奴に、怒っていた
笑っていない奴に、怒っていた
怒りながら、怒っていた
押し黙りながら、怒っていた
笑いながら、怒っていた
誤魔化しながら、怒っていた
怒る理由について疑いながら、怒っていた
怒っていい場合と発散の瞬間を伺いながら、怒っていた
人生は、ラムネソーダ
喜びも悲しみも怒りも愛さえも、泡みたいにあっという間に弾け飛んじまう
俺は穴の向こうから放り投げられた、小石
人は誰もなにかに蹴飛ばされ、突き動かされて生きている
人は死んでも穴の向こうに突き抜けていく、魚
この大宇宙プールの中を流れ浮き漂いながら、泳ぎ続ける魚
人間とは、一時の状態でしかない
ドロドロに溶け混ざり合いながら、なにかに変わる手前
つまり人生に意味など、ない
あゝ、無惨