背を向ける。
ふある

できるだけここから逃げたい
外は雨模様
すべて流されてゆけ、
ぼくの逃げる必要がなくなる

明日は晴れるかい、と聞いたけれど
足跡すら何も答えない、
さようなら、
言葉では簡単だけれど
ぼくは本当に消えてしまうんだよ、

晴れたら足跡が消えてしまうんだ

たとえば五叉路があったとして、
泥濘道と舗装道と天国と地獄と虚無にわかれた部分の真ん中にいるとしたら
ぼくは真ん中で車に轢かれてみるよ
もう一度言うよ、
さようなら、

雨が強くなった
明日晴れたらきれいになるね、
でも足跡は消える

指紋を浮き上がらせるように、
地面に粉を撒いていくんだ、
浮かび上がったそれを見て
ぼくを探してみてごらんよ、

最後にもう一度言います、
もう二度と言いません、

さようなら、
ぼくは逃げるよ、
足跡を残して。




自由詩 背を向ける。 Copyright ふある 2003-11-30 13:06:04
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