風を折る
森田拓也

風香り木犀と知る曲り角

木犀の香る風折りポケットに

夕刊のあとに夕焼け赤とんぼ

空蟬にいまだ命の気配あり

木犀の香り初恋思ひ出す

ぴくりともせず蓑虫はお留守かな

夢を見る蓑虫照らす夕陽かな

虫は「鳴く」人は「泣く」字を背負はされ

虫の音の闇おとづれて人恋し

進みたる時計を戻し冬隣






俳句 風を折る Copyright 森田拓也 2024-10-06 15:09:19
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