詩想、〈体・魂・霊〉
ひだかたけし
肉体感覚存在として
生きることの歓び
肉体感覚存在としてのみ
在ることの異和
常に不断に私に在りて
*
夜に吹く風に路傍の
丈長い草々てらり
てらり揺らぐ揺らぎ
街道走る車に照らされ
浮き立ち浮き上がる
一瞬!
あゝ懐かし憧れの念
この艷やかな生動に
刻み込まれた記憶の奥の億の蠢き
意識の深層ふっと蘇り浮き彫りに
わたしのほんとうの住処から
照射されるこの肉体感覚存在、
神的思考像に織り成され在ること
血液のドクドクドクドク流動し循環し
歓びと異和に肉と魂に
橋架け渡される、
魂の内なる霊性に因り
今一瞬!
草々てらり揺らぐ揺らぎに直観され。