祝福のうた
秋葉竹


 

ちいさな猫

(可愛い)

可愛がられるための
もふもふの
器のような猫

ひとさし指で
そっとひたいを撫でて
そのいのちの繊細さに
すこしゆびさきが震えた

それでも
あくびをした口の中には
しっかりと
野生の可能性を隠したみたいな
ちっちゃな牙がある

(可愛い)

ふにゃふにゃな
てあし
ピンと立てたみみ
もう
守ってあげたくなるしかない
まんまるな目

みゃあ

と鳴き声がみみをくすぐる
みみのおくのおくまで
くすぐる

ちいさな籠にぶらさがるように
みあげている
ほごよくをわしづかみにする

(可愛い)

ヒゲ

短いけど
ピンッと
生きている

ながれてくるうたが聴こえる

ちいさきものたちに
祝福来たれ










自由詩 祝福のうた Copyright 秋葉竹 2024-05-13 08:39:07
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