メモ
key

あかつき
という名前には
夕星
という名前と同じぐらいの
抗えない
悲しさを感じる

あの日見た星は
どちらだったのか
同じものを見ている筈の
まだ小さかった僕ら
折り曲げられた信念
折り畳まれた良心
織り上げられた信仰

詩人なんて皆
皮肉と嫌味しか言えないことに
気が付かない愚か者
傷付けては
自分ではないと首を振り
自分自身すら
護ることが出来ずにいる

生きる価値とか
産み出される罪とか
別れたと思い込んだ
恋人の本当の愛し方とか
まだ何も知らない
あの子の目が
見える

僕だけがいつまでもふるさとにいる
親も兄弟もなかった
殺し合うことが愛の証明だった
全てが間違っていたと
私だけが知っているのだ
助けようとして沈んでいく
皆の顔を馬鹿笑いする
ああ
感嘆符が大嫌いだ
星が夜の海で溺れているように
見える

会社
というものに出社している
上司
というものに属し
プロパー
という名の下に生き方を学んでいる

誰にも教われなかった
正義
誠実でありたかったわけではない
ただ
ぶん殴られるから
鍵を失くしたくなかっただけ

いつまでこうしていられるだろう
退路もある
いつ死んでも悔いはない
もう
とっくの昔に
契りを交わした後だから
本当は
二度目の人生なんて考えられない
あの子が全てだった

電車の中
咳払いの悪意
誰も歩きたくないのに
翼が無くて
叫びたいのに
海が遠過ぎる
私は要らない言葉を
一人河に流して
笑う

愛してるよ
なんて


自由詩 メモ Copyright key 2024-04-03 19:27:28
notebook Home 戻る