五行歌 徒然に
レタス

わかりたくて
わからなくて
ふたりうつむいた
残像は静止したまま
スイッチを手探る


さくら咲く公園で
泣いたきみ
だきしめ
だきしめられた
黒曜の夜


ひたすらに
寝る間もなく
水を磨いた三十余年
みなに届けよ
命の水を


夕暮れに
古き都の二月堂
ゆびを指し
あの光はきみの家
あれはぼくの帰る駅


深海に
まどろむ骸の鎮魂歌
哀しく響き
古代魚はゆっくりと
通り過ぎていく





自由詩 五行歌 徒然に Copyright レタス 2024-04-02 23:36:03
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