Simi
AB(なかほど)

あの日のことを言い出すと
きっと君は泣いてしまうのだろう
と思っていたのに
パーティーで久しぶりに見た君の顔はもう
もう
とっくにお母さんの顔で
ふと見えたその横顔の一点
の中に
初めての東京の夏が吸い込まれてゆく
それからいくつかの
夕焼けと夜の
運河沿い
ちゃぽん ちゃぱん
とコンクリートに
初夏の波
君は手すりにもたれながら
僕が乗り込んだ
モノレールの車輪を
目で追いかけていた
その行く先には
今の僕の帰る場所
があって
そこには
抱きしめるものができました
それが君ではないことが
たぶん僕にとっても
もちろん君にとっても
幸せなのでしょう
君の抱きしめるもの達が
それがいつのまにか
君の全てを包みこむ
そのとき
その心の中から
僕の全てのことは消えて無くなってしまえ
とつぶやきながら
帰り道の
ショーウィンドーの中の僕が
泣いている



Tokyo Tokyo

しばらくは
君の横顔のせいで
来れなくなっちゃた



Tokyo Tokyo
Bye Bye Tokyo

もう帰るよ
     って


Tokyo Tokyo
Bye Bye Bye



   


自由詩 Simi Copyright AB(なかほど) 2005-05-18 20:43:18
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