ルイーズの空
umineko

ルイーズはいつも空っぽだ
ルイーズはいつもとんがっている、山高帽の
だらしない紳士の椎骨あたり
途方もない誘惑の笑み
ガムを噛んでいる

ルイーズは雪の降るのを信じない
雪だってみぞれになる、空の空の
とても高い石英のすきまから
口惜しくて雨はそのまま
ルイーズの頬で結晶になる

空はうたうのでルイーズ
星は揺れるのでルイーズ
同じ場所からやり直す
眠れ眠れ

ルイーズはいつも空のかわりに
ポケットには冷たい夜

  
  



自由詩 ルイーズの空 Copyright umineko 2005-05-18 10:24:43
notebook Home 戻る