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  一


面取のない
三角定規で引いたガクガクッ
こころもとないあの日の線
それ宙の果にただようガスの森

誰かが時を人と無理に結ぶため時を隔て
違う誰かが拡がる空間を国家としてならしめる線
況してやあなたのその不機嫌な視線
どれもこれもあいまいな境界

バスト・ウエスト・ヒップに蟠る
レジスタで走査された、ピッ
咥えられた宮大工の口端で黒ぐろと待たれる

と或る測距原理により添われながら
定めし光が何時までも無限をかき立てるのなら
もう グラスの欠片にも意思の線が宿る



  二


容赦なく掴みどりされて
下着の跡に読みとれる線
空たかく舞い散るカイトが風に圧されてたわむ僕
色や質 歩道を染める稲穂の影ですら

見つけ易くもある
見つけ難くもあり
天気図のような割合しっかりとしたものもあり
等高線のように多分に参考でしかないものもある

一日の終わりを締めくくりつつ
ことばの泡のように
恋と愛との特異点を何時までもさまよって飽きない

抑えきれない感覚を彩る線
誰からも棄てられず幾らでも引かれ
カンバスすら支配しきれずまたほらこまかく震える





自由詩Copyright soft_machine 2024-02-22 19:13:15
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