回文の球体
水宮うみ

「猫さん?」「おいらはライオン」「雑魚ね」
 ねこさん  おいらはらいおん  ざこね


後出し、恋をしたのだし。追い越したドア。
あとだしこいをしたのだし おいこしたどあ


上手く遺伝と飼うノスタルジア。汁出す脳が飛んでいく。舞う。
うまくいでんとかうのすたるじあ しるだすのうがとんでいく まう


流転、逃避。日々疎んでる。
るてんとうひ ひびうとんでる


寛ぐ日に弾くロック。
くつろぐひにひくろっく


絞るカビとその後残る。このドアの外、光る星。
しぼるかびとそのあとのこる このどあのそとひかるほし


トンネル、猫、肉球を覆う雪国。捏ねる粘土。
とんねるねこ にくきゅうをおおうゆきぐに こねるねんど


滝が扉。海底から人が来た。
たきがとびら かいていからひとがきた


飛び石、星が残る。この菓子欲しい人。
とびいしほしがのこる このかしほしいひと


自由詩 回文の球体 Copyright 水宮うみ 2024-02-19 09:14:06
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