memo.02
ryinx

 まやは水草の満ちる夕暮れでも
 草原しかなかった過去のように
 かたわらの湖をみつめる

 修理費のいらない世界だから
 ただ自然に流れていく世界だから
 森の陰でその光景をそっと見つめる

 コップから零れ落ちた水滴を
 たとえばそっと舐めてみて
 もしそこにかつての海の片りんをみたら
 やっぱり消えゆく物語の一ページにさえ
 そっと誇りを持てるように思う.

・一瞬と一瞬が 手を繋ぎほどける
 ・あの時のあの光景が そのときの記憶が
  ・絡みあっていた指さきが 離れていく時

    ・
(𝟭𝟵𝟬𝟬)






自由詩 memo.02 Copyright ryinx 2024-02-07 07:23:45
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