ソレイユ
リリー

 
 夏の日の
 薄い日暮れに
 山裾を 退屈な貨物列車がめぐる
 段々畑に 
 くっきりと動いている
 働く人の影
 
 歌を忘れたら何が残るだろう
 長い貨物列車のリズムを
 感じ取ろう

  草丈長けた野辺の奥
  感傷の歌は 
  涙 散ル 
  熱い浪華
  血と血がぶつかりあってうづいた

   夏の日の

  緑の色が
  急に冴えてくる午後、
  一群の若人は各各何処へいったのか

 干からびて固く
 首を垂れる
 ひまわりの幻影は
 もう 斜陽に包みこまれてしまった
 


自由詩 ソレイユ Copyright リリー 2024-01-25 10:48:36
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