みぎわ
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森できのこでも採集するように
あなたは私を選んだのでしょうか

愛と呼ぶには熟れ過ぎていて
恋と呼ぶには堅過ぎていて

結局の所いつものように晴れると思ったのです
引き潮と満ち潮があるのと同じだと思ったのです

私は森の朽木に生える
食べられるきのこと食べられないきのこじゃありません

その足元で砂を崩しているものが波で
あなたの目には見渡せないものが海です

空を限ることはできません
目を閉じたからといって雨はやみません

とても悲しいので背中から抱き締めたいけれど
正直にあなたの欲しいものを聞かせて欲しい

とても悲しいのに涙が出ないので
止めてやろうかと思うぐらい心臓が喧しいのです

残り火で雪なんて溶かしてしまいましょう
最後に見るのがあなたなら消えても構いません

私は世界
いつか終わるのです


自由詩 みぎわ Copyright 303.com 2024-01-20 18:45:34
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