Tに捧ぐ
レタス

友人から電話が入ってきた
世間話しが途切れ
Tの事になった

お前が行ってしまってからどれくらい経っただろう

記録をつくるとお前は言っていた
俺は止めろと言った

きっと登頂する! と 炎は消えなかった

もっと強く止めていたら… と想っても
かすな期待が何処かにあった

300mの氷壁はあまりにも脆弱で
お前は氷塊とともに行ってしまった

お前の骨は白く太くて骨壺に入りきらなかったな
もうすぐ命日がやってくる

俺が生きているのは
お前の骨を拾ったからだ





自由詩 Tに捧ぐ Copyright レタス 2024-01-06 00:32:07
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