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僕を殺して

僕が産んだ
君の子供を
手に掛ける前に

自慰でずたずたの性器に
伸びたままの爪を突っ込んで
笑った彼女の腕には
無数のためらい傷

僕は彼女を笑わなかったよ

僕を殺して
君の青褪めた顔も
本当に見たくないから
その前にちゃんと殺して

僕のちょうちょ
君の翼
私の両足
あなたの目が褪めてゆく

別に不思議なことじゃないんだ
たとえば本にあと書いてあるから
あと発音するように
世界で魔術は今も働いている

僕を殺して
下らない噂や嫌味なんて
気にしたことがないけど
その心を踏み潰さないようにはしてる

僕を殺して

君が僕のせいで傷付くのは
見られない
気にし過ぎだろうか
どうしていいか分からない

明日二度と取り返しのつかない裏切りを覚える前に

僕を殺して
他の誰でもない人を
愛していると言って
僕を殺して




自由詩Copyright 303.com 2023-12-30 13:29:43
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