まぼろし
soft_machine

笑っているの?
橋に見えるもののところで
食べているの?
空に見えるもののところで

ぜんぶ君のまぼろしだから
ぜんぶ人のまぼろしだから

強く洗わないで
ふるえる箱から覗く 両眼を
いつまで磨くつもり?
消えつつある星々が

どんなに大切なのだろう
なによりも守らないとだめなんて
迎える朝がほんとうか
なんて疑われても仕方ないけれど
子どもが空に掛けた指を
そっと外す者がいたなんて
それでも諦めないで温め続ければ
きっと報われるだなんて

願うには及ばない
小さな嘘にはじまる終わりの徴

願いだけがまぼろしを見送る
眠りながら 泣き崩れながら





自由詩 まぼろし Copyright soft_machine 2023-11-12 13:17:28
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