青旗
soft_machine

どの恋人だったか
アヲハタのサイトがかわいいと
ポインタ空に漂わせ
無心にクリックしたあの頃

やり直せないかな
目が覚めて
自分を嫌いになるまでの
ほんのわずかな時間帯を
まき戻せたら
ぬり潰せたら

けれど色の知るところによれば
ただの隣り合いなのだから
こう言ったの
二度も愛すな、ひき返せ と
瓶からあふれ出る仕草を見せて
筆を持つゆび先や
星やリングで朝の雲を飾ろう

それでも駄目なら
それでも 駄目でも
焦がしすぎた肉片や
雪のような食卓いっぱいのパン屑
あの日
オレンジ色したまなざしで
すべてがまぼろしだろうと
あなたは消えない
わたしも消えない

海の向こうでは
ブルベリーの実が
その辺にはじけてジャムになる
子どものにおいがするらしい





自由詩 青旗 Copyright soft_machine 2023-11-12 12:55:32
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