短歌
船曳秀隆

【短歌】  船曳秀隆

天空に 宇宙溢れし 孔雀羽
 誰も知らない 十九の秋

言の葉は 詩の言葉さえ 忘れても 
 縋りつく葉に 葉脈は打つ

月光が 突き刺す獣に 声は無く 
 肉体の芯に 月光湧き出す

大地から神の涙は 宇宙へと 
 絶つこともなく 零れ落ちゆく

風の無い 銀河の底の 涙腺は 
 記憶の頂へと 湧き上がっていく

銀河系 震える涙の 乱反射 
 あなた見つめる 姿乱れて

爪先に 宇宙携え 潜む花 
 傷つく宇宙に 君見つければ

天空の 捧げものとして 開く傘 
 心手放す 君救うため

天空の 天馬の翼 折れし日も 
 その隙間から 光満ちたり

地球上 何処にも君は 居なくとも
 心の内に 君育ちゆく

地平線 限り無く蝶 舞うけれど 
 あなたの内に 舞う空は無く


短歌 短歌 Copyright 船曳秀隆 2023-11-11 21:40:22
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