怒られ短歌2
妻咲邦香

素晴らしい人に育って
素晴らしい大人になって
素晴らしいでしょ?

#短歌

りんりんとピンポンダッシュで逃げ遅れ
鳴き続けるは鈴の黄昏れ



煌々と動脈だけで生きてます
誰を呪うかこれから探す



石ころの隣に座る人がいて
そのすぐ隣私が座る



どうせほら孤独を「ぼっち」と読む人は
別れのことも「ワカモレ」と読む



天の川やっと出会えたあの二人
そろそろどつき合ってる頃か



旅のこと少し考え忘れては
また苦笑いどうしたって恋



どうしても行間探すと言ったきり
帰って来ぬは沼にはまりて



名もなくて我人なれど土におり
名を尋ねてはそなた月なり



引き返す世界の果てをのぞき見て
鬼の名前を恥じてなお秋



迷い雲、遠きにありてめえめえと
紡ぐは淡き縁の細糸



鞭毛で行き先決める鍵かける
三角コーナー生ゴミ捨てる



三日月の親戚だよと言う男
どう見ても中途半端な睫毛



正夢を無心に咀嚼せし獣
現の花の苦きは美味か



飛びたくて、でも飛べないのではなくて
私は空を選ばなかった



もし私いなくなってもこの柿は
なり続けるか歌うが如く



私をね見て歩くのもいいけれど
後ろ向きだと危ないよほら



ドキドキが止まらないまま右回り
そんな時計を誰が発明?



呼吸終え、ことをし終えた櫛の歯の
ひとつひとつが愛されている



ゲッダンは1個じゃ到底足りなくて
ゲッダンゲッダンひたすらゲッダン



君の癖よく知ってるよと高笑い
罪状認否の途中から風



いい加減ミッキーマウスを連れて来い
俺の彼女が会いたがってる



バラバラに刻んで消去するための
景色探して夕方カメラ



膨らます風船爆弾海を越え
嫌いも好きも言わせないため




短歌 怒られ短歌2 Copyright 妻咲邦香 2023-10-10 01:26:03
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