梅雨の通夜
そらの珊瑚
雨は降ったり止んだり降ったりで
四季のある国のひそかなもうひとつの季節
室内干しの洗濯物
取り込むまえに
ちゃんと乾いているだろうか、とさわってみる
乾いているようにみえても
繊維の芯のところでは
かすかに水分が残っていて
ちゃんと死んではいないから
首ふり扇風機の風があたるたび
わたしのほうへ
逆さまに吊るされたその腕を
手招くみたいに
おいで、と
そよがせる
自由詩
梅雨の通夜
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そらの珊瑚
2023-06-30 11:07:46
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