日々のゆらぎ
霜天

現れては、消える
どこか遠い宇宙で
星がはじけるように、生まれるように
現れては、消える
深い
深いとだけ言える心の水面の縁に腰掛けて
切るようにしてつま先を遠くへと投げ込めば
それは確かに現れては消えていく


手を繋ぐようにぶつかる
柔らかい心音

ここに一日の
音の集まる場所
暮れていく騒がしさに
誰もいない路地裏で手を広げて倒れた
言葉では世界を信じていないような姿勢でも
心ではどこでも
どこかを信じて寄り添いたくなる足取りなので
倒れて見上げた空は
何度も瞬きを繰り返す


気が付けば寂しさをいつだって抱えているものだから


日々のゆらぎ
透明で遠い空を
出たり入ったりする繰り返し
求めるのは、生まれたての
言葉といつだって手を繋ぎたがっている
消えてはまた現れる揺れ幅の中で
泳ぐようにしながら眺める地図は
いつまでたっても不正確なので


次はどこへ行こうか
繋ぎかけの手の先で
いつも、そんなことばかりを考えている


自由詩 日々のゆらぎ Copyright 霜天 2005-05-10 16:28:14
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