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花形新次

純粋は若さの特権だ
その純粋は
残酷さも備えているが
若さゆえに
それも赦される

一方、老いたる者の純粋は
欺瞞に他ならない
人間は決して純粋でもなければ
美でも善でもないのに
それをおくびにも出さずに
純粋を気取る
最早欺瞞を通り越して
人間性の冒涜だ

人間は誰でも
小狡くて小汚ない
一人の人間の
少なくとも半分の部分はそうだ
それが誰もが逃れることの出来ない
本性というものだ

そして
そういう存在だと
認めた上で
残りの半分に
何かしら美と呼べるもの
善と呼べるものを
見出すことが出来たなら
その人生は
価値のあるものとなるんだ

自分の中の
醜悪な1/2をさらけ出せ!

話を聞くのは
それからだ









自由詩 1/2 Copyright 花形新次 2022-09-22 22:24:43
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