雨傘
ミナト 螢

雨のせいなのか
いつもより
歩きにくい

傘のせいなのか
守り切れない肩が
濡れてゆく

赤い傘にも
黒い傘にも
名前はないけど

手の感触で
知っている
主人のこと

朝と同じように
雨が降り
少し冷たい午後は
ふたりで
風邪を引く

濡れた傘が
震えたように
今夜は眠れない


自由詩 雨傘 Copyright ミナト 螢 2022-09-23 07:28:51
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