忘却
大覚アキラ
紫の羽根の鳥を追いかけていたら
知らない町まできてしまいました
帰り道もわからないし
人の言葉もなにやら違うようです
初めは戸惑いましたが
そのうちに言葉も覚え
友達も何人かできて
家を借り
仕事に就き
恋人もできた頃には
以前の暮らしのことなど
すっかり忘れてしまいました
そういえば
あの鳥は
どこへ行ったのでしょうか
自由詩
忘却
Copyright
大覚アキラ
2005-05-05 19:54:56