ハーレスケイドでの戦い(一)
おぼろん

読者は迷うかもしれないが、ここは再びハーレスケイドである。
盗賊ヨランと、アイソニアの騎士、そして、エインスベルの従卒であるエイミノアは、
眠れぬ夜の、そして翌朝を向かえていた。
あくびとともに、アイソニアの騎士がヨランに尋ねる。

「で、今日はハーレスケイドの中心へと辿りつけるのであろうな?
 昨日のような茶番劇は御免だぞ?」──その声はいかつい。
「へい、騎士様。わたくし、ヨランめにお任せくださいませ。
 わたしの予感では……もうじき、オーマル様がお出でになる頃でございます」

その言葉は当たった。アイソニアの騎士、盗賊ヨラン、傭兵エイミノアの前に、
このハーレスケイドの唯一の住人たる、オーマル・リケイディアが現れたのである。
「よく眠れましたか? あなたがた──とくに、ヨラン」

「わたしの名前をご存じなのですか? オ……オーマル様?」
「お前たちが話しているのを、聞いたのです。ヨランよ……そして、
 そこに控えているのは、アイソニアの騎士、そしてエイミノアですね?」


自由詩 ハーレスケイドでの戦い(一) Copyright おぼろん 2022-09-10 19:16:06
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