お盆
soft_machine

髪を人に揃えさせ
葡萄を蓄えた仏間の
静謐をかき混ぜる
蝉の唄
かそけき音色で
奏でるピアノが
桟橋に朽ちるお骨を磨く

 夜をうつくしいな、と思える
 世界のかがやきの酷さ

窓にせまる波紋
それはいつしか、海
きみは水着につつまれ
泡に追いつかれ
犬とならび歩む
ひろびろとした文字をつらねる
白と青の行間を

 あたたかい想い出と共に
 無言の空に還して



自由詩  お盆 Copyright soft_machine 2022-08-14 20:06:37
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