夕べの歌
ひだかたけし

薄い絹糸が伸びて来る
夕べ
美しい音の調べのなか
天使たちが踊る

銀の照り返し
迫り来る闇
君のトラウマなんて
みたくない

天使たちが歌う
広がる宇宙
ひとりぼっちの砂浜
未完成のまま移行する魂

昔の親友は自殺したと
風の噂に聞いた
こころ通わせ合った唯一の人
ある時から君は
見えるものだけしか信じなくなった

この現実を掘り進めば
見えないものも思考に捉えられ
やがて懐かしい純白の雪原に至る

熱を帯びるエモーション
水晶のように透明な思考

内奥の直観は天使たちと躍る
内奥の直観は天使たちと繋がる

肉の苦痛に息絶え
感覚の壁を超える
肉の苦痛に息絶え
五感の限界を超える

薄い絹糸が伸びて来る
夕べ
美しい音の調べのなか
僕らは踊る
永遠の記憶に包まれ
僕らは躍る






自由詩 夕べの歌 Copyright ひだかたけし 2022-08-14 18:51:33
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